うえぺけ号誕生までの道のり


日産エクストレイル(以下うえぺけ号)を買うまでの経緯は次の通り。

車そろそろ買いたいなあ、と思っていたのだが学生時代は金がないためそれはかなわぬ話であった。おそらく普通の生活をしていれば車を買うことが全く不可能であったわけではなかろうが、学生時代から日本中を暇に明かしてうろついているため、手元にはお金が残らないという生活が続いていた。そんな訳で、社会人になるまでは友人の車、あるいは自宅の車で遠出を済ませていた。

社会人になってようやく腰を落ち着けて仕事をするようになり、車でも買うかと言うことを具体的に考え出したのが2003年8月頃のことである。車を買う上で外せなかった条件は次の通り。

  1. 国内でどこでもメンテナンスができる
  2. とにかく丈夫で月まで行ける(38万km走る事が可能なぐらい丈夫)
  3. 車内で熟睡できる
  4. MT車である
  5. 4輪駆動である
しかし、これが随分と無茶な要求であることは、ディーラーを廻っていくごとに明らかになって行くのである。まず、1番目の条件で外車は消えた。もちろん「高い」という理由が実際一番支配的であったことを隠すつもりはない。次に2番目の理由で「トヨタ」「日産」しか残らなくなった。ここまでは机上で組み立てた考えであり、いよいよディーラーまわりを開始した。

まず、最初に訪れたトョペット(いまだにどう発音していいのか判らない)で「車内で眠れる車」を希望したところ、後部座席が斜めに倒れて、これでゆったりと休めますよというまるでこちらの意図を理解しない営業さんに出会い、出鼻をくじかれてさっさと退散。齢30の客をALLIONに誘う営業さんの凄さに少し感動はしたが、それでは全く自分の希望に合わないのである。

次に、隣にあった日産RED STAGEへ。営業さんに「どんな車を?」と訊ねられて「MT車を」と返事したところ、いきなりスカイラインとフェアレデーZを紹介される。だぁかぁらぁ〜、「そういう」MTじゃないんだって、ということでくどくどと自分の乗りたい車を説明したところ、これならどうです?と言われたのがWINGROADであった。確かにある意味条件は揃っている。だがしかし、営業さんは一つだけ見落とした点がある。たしかにWINGROADにはMT車も4WDもある。しかし、「MT車の4WD」は存在しないのである。惜しい、まことに惜しい。

さて、次にこれまた近所のネッツトヨタに足を運ぶ。ここの営業のお兄ちゃんはイケイケで、必要以上に今売れ筋のWISHを勧めてくれる。熱意に応じるかのようにとりあえず試乗はしてみる。AT車であることを除けば条件は全て揃っているので悪くはない。しかし、運転してみてハンドルの遊びが必要以上に大きく、ハンドルが切れるタイミングが随分と遅いように感じてしまったのでこれも候補から外れる。しかしながら、試乗までしてしたためか、今後この熱い兄ちゃんは何度も我が家に押しかけるようになるのだが、あいにく僕は昼間家にいないのでいまだに出会っていない。まあそういうものなのだろう。

ということで、更に隣にあるトヨタ弥栄京都に出かける。こちらではなぜか親が熱心に車に魅入ってしまい、プログレとマークIIについて熱心に品定めをしていた。この後親はマークIIを買うことになるのだが、それは別のお話なのでここには書かない。

ということで、余りにも自分の希望の車がないと言うことに愕然とするが、きっとどこかに条件に合う車があるはずだという謂われのない自信を漲らせて、今度は日産BLUE STAGEへ。ここでようやく条件全てがかなう「エクストレイル」と出会うが、閉店間近なので本日はここまで。ちなみに自宅の近所は必要以上に車屋が密集しており、ここに挙げた店は半径500mの間に固まってあるというからある意味すごい。

さて、気を取り直して先日の日産BLUE STAGEに向かう。本日はそこで試乗もするし、説明も聞くし、オプションも考えるし、というまるでエクストレイルを買うかのような素振りを見せて見積もりを出してもらう。駆け引き自体は好きなのであるが、見え見えで最初ふっかけるという態度が今ひとつ気にくわないので、合い見積もりを取らせるべく近所の系列ディーラーでない車屋に出向く。

出向いた車屋では、「うちでは3年間リースという形で車に乗って頂いて、3年後乗り換えするか乗り続けるかを選んで頂けるプランが云々」というこちらの意図を理解しない営業さんのトークで話がはじまる。こちらの意図を理解してくれないという書き方をしているが、僕の要求が随分とずれているがために起こることであり、営業さんが悪いわけではない。そこで合い見積もりを取ってもらい、更にもう一軒のこれまた系列ディーラーではない車屋に向かう。

結局これだけ車屋を廻ったけれど、車は1台しか買わなかった(当たり前や)。そして晴れて11月1日に納車を迎えたのであるが、僕は友人と前日夜から出かけていたので立ち会わず、親が立ち会ったというから愛着が最初からないように思われたのかも知れないなあ。
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