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本日は朝からコンピュータの引越しを行う。正月に買った時点では異動など遠い未来のことであったのだが、異動が発令されて以来、それまでにコンピュータを移植しておかねばならないということが至上命題となった。そもそも親が使っていたコンピュータがサポートの切れたwindows98搭載ものであり、さすがにこれをそのまま使わせておくのはまずいと判断し、現在僕が使っているコンピュータを親用にして、僕は新たにコンピュータを買うこととしたのが事の顛末である。今朝はまず新しいコンピュータのネット環境構築から始めるが、ブロードバンドルータをつけているのを忘れていたり、ノートンインターネットセキュリティーが無駄にDNSを受け入れてくれなかったりでかなりてこずる。てこずった割には無事解決がなされ、それ以降は移植が順調に進む。移植の間に新居の電話とインターネット環境についてNTTに電話し、収容ビルが新居の近くにあることを確認していたのでADSLの工事も同時にやっていただくようお願いする。コンピュータの移植は本日で終わりと思ったのだが、親のメールアカウント設定でパスワードがわからないという最大の難関にぶち当たり、本日はプロバイダに問い合わせ後日郵送されるパスワードを確認してから最後の調整に入ることとし、たまっていた日記を書いたりして時間をつぶす。戻る↑
引越し業者との打ち合わせは昼過ぎと聞いていたので朝からまどろむ生活を送っていたのであるが、11時前に電話がかかってきたと思えば引越し業者である。しかも後30分ぐらいで行きますということなのであわてて起き上がりとるものとりあえず準備をしたりする。引越し業者は白いダンボールを持ってきて、日時の調整をして帰っていったが、あまり荷物はないものと思っていたようである。とりあえず夏タイヤは運んでもらいますよという話をしたのと、冷蔵庫や洗濯機は電気屋が運んでくれますということは伝えたので用件のほとんどは済ませられたように思われる。斯くも着々と準備が進んでいるように思われるが、実は一番問題なのはコンピュータだったりする。正月に買ったノートパソコンはいまだに設定をする気力が沸かないままである。昼過ぎに昨日親が買った冷蔵庫が電器屋から届く。サイズが相当大きくなったので、台所の神棚にぎりぎり触るかと思われたが、何とかそれは回避できた模様。時々自動製氷のコロンっという音がなることが妙に新鮮である。これまでの冷蔵庫が20年選手であったため、ずいぶんと激しいギャップを感じていたりする。戻る↑
今年も確定申告に出向くべく、昼から会社を休み税務署へと向かう。銀行に立ち寄れば、給料日&週末&月末などという条件が重なったのみならず、ATMのシステムが一時停止しましたなどというふざけたまでの偶然が重なり、ATMは長蛇の列である。銀行の用事を済ませて税務署に向かい、仲間由紀恵に見つめられながら書類を提出する。帰宅して日曜日に言った家電量販店に再度出かけ、家電と家具を買って帰宅。ちなみに新居に直接届けてもらうように頼んだので、引越し屋の手間が減ることになるが、それって別にどうでもいいことなんだよなあと思ったりする。ちなみに僕が熱心に家具や家電を選んでいたのを見て、ついて来た親が冷蔵庫を物色し始め、お買い上げありがとうございましたとなったのは割と予想の範囲内だったりする。世の中ついでのほうが大きかったりするものだ。戻る↑

物件は決めたのであるが、次に物件を見るのは入居日ということになる。しかしながら部屋の正確な大きさを知らないことには家電製品や家具を持って行きようにも限界がある。ということで本日は再び不動産屋に向かい、物件の正確な寸法を測りに行くこととした。そもそも不動産屋でくれた物件の見取り図自体が左右逆になっているため、正確な見取り図がほしいという目的もあり、割と事細かな測定と、入居までにここを直しといてくださいという細かい注文をつけておきたいということもある。実際に測ってみると意外と広かったり逆に狭かったりで驚かされることが多い。測定を無事に済ませ、友人と龍ヶ崎にある焼酎屋に出向く。ここは茨城県かでは屈指の品揃えを誇る店であり、店の親父が酒好きで延々と話しをしてくるところらへんがいい店たる所以である。「さそり」や「土竜」などというなかなかの逸品がそろっており、めぼしいものをさっさと購入する。その後玉造の川魚屋でうまいナマズやペヘレイを食し、久しぶりの味わいに感動する。そのあと麻生にある白帆の湯で大荒れの霞ヶ浦を展望する風呂でまったりとすごし、心地よくなったところで土浦へ。土浦で友人と別れ、フレッシュひたちで上野へ。東京からはビールを飲みつついい気分で帰宅。4月から住むところをとりあえず見つけることが出来たという意味で有意義な出張であった。戻る↑

本日も出張扱いで家探しに来ているのであるが、物件は昨日の時点で決めてしまったので本日は暇である。友人と相談し、本日は日光まで温泉に入りに行こうという話になる。冬の日光などという味わい深いところには出向いたことはなく、平日の観光地自体にも出向いたことはない。予想通り日光は観光客が少なく貸しきり状態であった。いろは坂を心行くまで駆けあげることが出来るのもうれしいし、金精道路の冬季通行止めも大変味わい深い。
これまで幾度となく耳で観ることを要求された華厳の滝は霧もなく、その雪景色と相俟ってすばらしいまでの全景を目の当たりにする。ちなみに平日の観光地は外国人の比率がかなり高く、華厳の滝に向かって賽銭を投げるなどという摩訶不思議な行動をとっていたのが印象的であった。滝を堪能した後は中禅寺金谷ホテルで温泉利用としゃれ込む。湯元温泉より引湯しているとはいえ、源泉が熱いためかけ流しで供給されている柔らかな硫黄泉は冷えた体をほこほこにしてくれる素晴らしいものであり、露天の雪見風呂に入ればいうことなしである。風呂から上がり、日光名物の湯葉刺しなどを食して友人宅へ戻る。本日も大変うまい酒を酌み交わし。久しぶりの心の洗濯をしていい気分である。ちなみにこの酒の席で2ヵ月後の長崎旅行が決まったので、帰宅したら手配せねばならないことが確定した。戻る↑
本日はバレンタインデーである。菓子屋の陰謀ゆえに日本でしかこのような摩訶不思議なイベントは行われていないのであるが、昨日の飛行機を降りる際にCAがチョコレートを配布していたことを思い出す。日本語のアナウンスではその旨を述べていたのであるが、英語のアナウンスではそのようなことは述べておらず、コードシェア便であったゆえに外人さん率の高いこの便では何ゆえチョコレートを配っているのであろうかと思う外国人が多かったことであろう。「俺CAからチョコもろてん」といってもこのシチュエーションではなんら自慢にならないことは明白であるのでそんな自慢をしたいわけではない。バレンタインとはいまだに理解できぬイベントである。さてそんなバレンタインで一番本日面白かったことは、ヒロシの誕生日が本日だということである。もしかして誕生日すらネタにする?と正味な話思ってしまうところ。それにしても2月は食品団体の陰謀が立ち並ぶ月間である。節分の丸かぶりもきっと業界が広めようとしている結果全国区的なイベントとなってきたのであろう。ちなみにこの業界であるが、僕はすし業界と思っていたのだが、友人いわく海苔業界だということである。たしかに巻き寿司である以上海苔は欠かせないし、太巻きを丸ごとということで、一枚大きな海苔が必要となるからなあ。戻る↑
しかしながら、その歴史はすばらしいものがあり、トイレの手洗い蛇口にまで不思議な彫刻が施されているのは余計な話であろうが味わい深い。その後車を社長の別荘である識名園に向け、その庭園のすばらしさに感動する。建物では昼からの結婚式の準備に忙しく、相撲取りが座るような座布団が一組あり、おそらく新郎新婦がそこに座るのであろうと想像しながらひとしきり見物を済ませる。そののち沖縄に来たからには一度は食すべしということでタコライスとぜんざいを食し、レンタカー屋に出向いてレンタカーを返却し、一路空港へ。空港では凄まじいまでのセキュリティーチェックの行列に遭遇するが、別会社の空いている検査場から入り、たいした行列もなく待合室に移動。待合室ではオリオンの生なぞをゴキュッとやっていい気分になり、ちょっぴり遅れがちで巻きが来ている搭乗口に並んで一番に搭乗する。機内ではこれまた足が伸ばせる超一等席に座り、旅行の疲れとオリオンの催眠でひとしきり眠り、夕刻に無事関西空港に着陸。関西空港からははるかで京都に戻り、晩飯を食べて無事帰宅。沖縄の歴史をよく知ることが出来た大変味わい深い旅行であった。戻る↑

ホテルでアメリカンスタイルの朝飯を食し、目玉焼きを頼んだら失敗したのを隠すためにスクランブルエッグが出てきたなどという楽しいイベントを味わうことなく食事は終了し、本日も観光に出向く。まず本日は牧志の公設市場に出向く。豚がこれでもかとばかりに並べられ、写真をこれでもかとばかりに撮影し、その次はカラフルな海産物を見物し、沖縄の食材を見ていろいろと思うものがある。その後車を北に走らせ、楚辺通信所などを見て高速道路を利用して名護へ向かう。一昨年入ることが出来なかった万国津梁館を見物したりしながら、ブセナテラスでうまい昼飯を食す。昼飯の後は腹ごなしに魚にえさをやったりして群がる魚のすごさと海のきれいさに感動し、今帰仁城を目指す。今帰仁城は琉球が三山時代であったときの北山の拠点であり、独特の石積みを今に残す見事な史跡である。今の時期は寒緋桜が満開であり、南国にして四季の移ろいを感じることが出来るこの地で一足速い春を満喫する。

石積みと縄張りのみを残すこの史跡は、かつての全盛時代を想像する事自体が楽しみであり、ギラギラした極彩色の史跡とは違うものであった。宿に戻って本日は沖縄料理の店に出向く。本日もオリオンの生で喉を湿らせ、うまい魚を食し、極上の泡盛(古酒)を頂きつつ夜は更けていく。帰り道に沖縄なのにデューティーフリーというお店に出向き、なんだか海外旅行の最後に買い物をしたような気分になったまま宿に戻る。宿では美味なる焼酎をちびちびやりながら、仲間由紀恵氏が主演のドラマごくせんがなぜ沖縄で見れないのかといささか不満に思いつつ爆睡する。戻る↑
寒さの厳しい関西を後に、本日は朝より沖縄へと向かう。伊丹空港で半額でチケットを購入したり、スターバックスで無料でコーヒーを飲んだりと株主優待活動を行いつつ、呼び出しを食らいながら機内へと案内される。機内では座席の配置を知り尽くしたものだけに与えられる足が伸ばせてCAと向かい合わせという超一等席をしっかりとゲットし、南国への旅路を楽しむ。この超一等席の難点は、非常口がすぐ横にあるため窓際といえども翼が邪魔で景色がいまひとつであるということなのだが、そんなものは足元のゆったりぶりと機内での目の保養を斟酌すれば如何様にでも自分で納得がつこうものである。おまけに本日は天候がよろしくなく、適度に揺れるということも手伝ってか、外の景色は見ても仕方ないし、CAは向かい合わせに長い間座ってくれるしということでこの席は天候不順のほうが喜ばしいのだという従来から抱いていた結論をさらに強固なものとした気がする。
さて、そんなこんなで偏西風に逆らっていささか時間を要して那覇空港に着陸し、コートとセーターをさっさと脱いでレンタカー屋までバスに乗る。バスの中でステレオタイプな沖縄音楽を聞かされるのは毎度のことであるが、それぐらいはまあいいとしてレンタカーを借りて早速出発する。まずは旧海軍指令部壕に向かう。大田実司令官の「…沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」という決別電報の意味するところをなんら果たすことなく基地の中に沖縄があるという現状を考えながらここを後にし、観光モードで沖縄そばを食したり、琉球ガラス村で焼酎を飲むにふさわしいグラスを選んだりする。
そののち車をひめゆりの塔へと進め、ひめゆりとは造語であったことなどという無駄な知識の収集にも努めるが、塔の前にあるガマが実は沖縄戦で実際野戦病院として使われていたなどという凄まじい歴史などを知り、傍らのガジュマロはそのすべてを知っていたのであろうか、それとも南国なので成長が早いから戦後生えたのでそんなことは知らないのであろうか、そもそも樹がそんなこと知ってるわけないのではないかと無駄な反芻を繰り返しながら、開放されてからのほうが犠牲者が多かったというひめゆり部隊の歴史などを勉強する。そののち沖縄県平和祈念資料館へ向かい、戦後のアメリカ統治下で強かに生き抜いてきた歴史というあまり知ることのなかった歴史の勉強をし、本日のお宿に到着。お宿は那覇市内を一望できる場所にあり、あまりいけてないコンシュルジュの紹介してくれた店に出向いて本日は海の幸を満喫する。泡盛をたらふく頂き、いい気分で宿に帰るとそのままバタンキュウしてしまう。こうして南国の夜は更けていった。戻る↑
心地よく朝の目覚めを迎え、朝風呂と洒落込む。朝からカニのダシの利いた味噌汁などを食し、カニづくしの食事に満足する。朝風呂に入ってチェックアウトし、NHKのど自慢が繰り広げられるこの町をあとにしていざ鳥取へと向かう。鳥取からは、昨日とはうって変わってがらがらの特急で出雲市を目指す。出雲市駅ではパチモンの神殿に出迎えられ、タクシーで出雲大社を目指す。途中で出雲そばを食し、その味わい深い蕎麦に舌鼓をうつ。出雲大社の神楽殿の大注連縄に賽銭を差し込もうとしたら自分のが刺されば3人分ぐらいの賽銭が落ちて来るという無限連鎖に辟易しつつ、落ちてしまった誰かの思いのこもった賽銭を成仏させるべく賽銭箱に投げ込んでやったりする。神社で成仏とはこれ如何にという意見もあろう事は想像できるが、本地垂迹説に照らしてみれば「上は一緒」であるため細かいことは気にしないこととする。
そのあとかつて本当に本殿は高さが40mあったという説を裏付ける柱の跡や、毎年10月に日本中の神様がこちらにお越しになるときの宿泊施設などを見物したり、出雲大社が縁結びの神様であるという謂われや、ワニをだまくらかして背中をひん剥かれた自業自得な白兎を助けた物好きな大国様の話などを銅像にしたものを鑑賞し、冷え込みの厳しいこの地を後にして出雲空港へと向かう。時間に多少の余裕があろう事は想像できたものの、島根ワイナリーに寄らせようとする凡そ意図不明の運転手の誘いを丁寧に断り出雲空港には割と早めに到着。ゆっくりと帰宅の途につく。本日の機材はSAAB-340Bというプロペラ機なので、滑走路からタラップを利用して飛行機に乗り込む。一番後にギリギリで乗り込んだオヤヂが「携帯を待合室に忘れた」などとふざけたことを宣い、出発が遅れたのは愛嬌というものであろう。伊丹空港にはいつもと違う短い方の滑走路を利用して降り立ち、バスで旅客ターミナルまで運ばれていく間に手荷物はターンテーブルをくるくる回っているという手際の良さであった。カニと温泉を満喫した素晴らしい週末であった。来年はこのイベントをどこで行うべきかということを考えねばならぬのであるが、来年は果たしてこのイベントを行うことができるのであろうかという素朴な疑問も差し挟まねばならない事態を迎えていることもこれまた事実である。戻る↑
このところの激務は全てこの土日に休みを確保するために行ったと言っても過言ではない。今週末は家族でカニを食べに行くというイベントが3ヶ月も前から計画されていたのである。2週間前にも行ったんじゃないですかなどというツッコミは無用である。2週間前の計画は2ヶ月前に立てたのである。日本海のカニを食す機会はこの時期に限定されるため時期が重なることは当然のことである。必死の思いで城崎へ向かう列車の切符を確保したことは前月の日記に書いたとおりであるが、ワンボックスを占拠することができなかったため車内での他の団体さんとの切符交換というなかなか辛い営業を行い、何とか席を替わってくれて目出度く席を確保することに成功する。しかしながらこの成功は自分の尽力よりも相手の会って5分で30年来の旧友のように喋ることができる関西のおばちゃんという特性によることが多いことは否定できない。
そんなこんなで雪景色の外とは別世界の暖房の効いた車内でまったりと時を過ごすが、些か車内が暑すぎるため、外気を導入するハンドルをポンと押せという専務車掌のアドバイスに従い涼しい外気を導入する。目的地の手前で列車を乗り換えるために降り立った城崎では温泉街の味わい深い風景などを見学し、普通列車で浜坂を目指す。冬の日本海という絶景を目の当たりにし、餘部鉄橋からの景色をデジカメに納めたりして浜坂に到着。浜坂からはタクシーで岩井温泉に到着し、いつもよりかなり早めに宿にチェックインする。このお宿はこれまで2度も日帰り入浴に利用したというお気に入りの温泉宿であり、これまでは日帰りゆえに露天風呂を利用することができず悔しい思いをしていた。宿泊となれば男湯女湯入れ替えということであり、念願かなっての露天風呂入浴が叶おうものである。そんなことで喜び勇んで足下から湧き出す素晴らしいまでのお湯を満喫し、心地よく腹を減らしていざカニとの戦いに挑む。質量ともにこれまでにないレベルのカニと戦い、生、茹で、焼き、鍋、雑炊という多彩な攻撃の前には健闘も空しく敗れ去り、来年こそは制してやると思いつついつまでも勝たないでおこうとも思っていたりする。食事後ごくせんを見たりしてまったりと過ごし、男湯女湯入れ替えの時刻となったので念願の露天風呂に入浴する。延喜式にその名を記される岩井温泉の真髄を満喫し、満ち足りて就寝。戻る↑
朝目が覚めたら一面の銀世界である。冬将軍が鍋奉行とアク取り代官を従えて日本にやってくるのは毎年恒例である。この暴れん坊将軍は最後にもう一暴れをしようとしているようで、例年になく寒さが厳しいのはきっとマツケンサンバの大ヒットぶりと関わりがあるに違いないと間違った推測をしながら駅へと急ぐ。いつも利用する列車は見事な雪景色の中を走るが、幸いにして交通が麻痺するようなことはなく、いつもの通りの時間に無事会社に到着する。会社が山沿いゆえ、窓からの景色に見とれて仕事がはかどらないと都合の良い言い訳を捻り出し、うだうだと仕事をしてさっさと帰宅。帰宅してみれば、朝あれ程積もっていた雪は綺麗さっぱり解けていた。雪が残り、今晩冷え込んで明日の朝は凍るということはなさそうなので一安心。戻る↑
知的財産という概念はここ数年よく叫ばれている。会社で知的財産を管理する部門はなかなか厳しい仕事である。日本の技術者は仕事をすること自体に喜びを見いだし、特許だの実用新案だのといったことには頓着しない傾向がある。しかしながら会社として知的財産を守ることは必要であり、発明者というものは実際に発明を成し遂げた人間がならねばならないのである。知的財産管理部門ができる仕事はあくまでも明細書を書く上でのサポートであり、特許庁への申請書類には発明者と会社の名前があるのみで、サポートをした部門の人間は代理人を務めた弁理士を除いてその名が明記されることはない。斯くも知的財産というのは難しいものであるが、その根底には意地汚い金儲けではなく、人の独創的なアイデアに対するリスペクトがあると個人的には信じたいところである。さて本日松下電器産業が保有する特許(公開番号:特開平3−144719)を侵害したとしてジャストシステムが訴えられていた裁判で、異例とも言うべき「一太郎」「花子」に製造・販売中止命令が出されてしまった。ジャストシステムは即時控訴をしており、仮処分申請がなされていないので、判決が確定するまでは「一太郎」「花子」は販売ができるということである。松下の保有する特許というのは米Microsoft社がWindowsに搭載する、ヘルプの提示機能を用いて実装されている。このヘルプ機能は一太郎だけでなく、Windowsアプリケーションの多くが利用している事から考えるとWindows上で動作する全世界のソフトウェアが影響を受けるということになる。今月10日に一太郎の新しいバージョンが発売になるというタイミングにぶつけられたようにしか見えないこの裁判は、そういう意味でも今後の動向が注目されるところである。戻る↑