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朝起きて朝風呂に浸かる。昨日今日の入浴で、体に硫黄のコーティングが為されたようで、歩いていてもそのにおいが判る程である。硫黄泉というのは湯が柔らかいために、普通の湯であれば到底入れない程熱い湯でも入ることができるという厄介な代物であり、ついつい湯あたりをしてしまうリスクがある。湯あたりの原因は硫黄にあるというのは間違いではないが、硫黄が全ての元凶であるとするのは間違いである。人間の三大欲求の一つである食欲は、ほどよい湯加減により惹起されるが、湯あたりしてひっくりがえり、飯が食いたくないという協調性のないメンバーを尻目に盛りだくさんの朝食に舌鼓を打ち飯を三杯も食べてしまう。旅館の茶碗が小さいからだという言い訳ももっともであるが、実際食が進むのは事実である。宿をチェックアウトし、ガラス工房を冷やかしつつ店先で強引に温泉饅頭を食わされたり、温泉卵を食べたりして時間を過ごす。
そのあと西の河原に出向き、賽の河原然としているが流れているのは実は温泉という荒涼とした景色を満喫する。この河原を流れる温泉はきっと掛け流しなのであろうと、そこに手を浸けたり中には飲むなどという凄まじい蛮行をしている旅行者が後を絶たないが、この流れ来る湯は上流の露天風呂の掛け流しであり、湯の花が本当に湯の花であるのかという素朴な疑問を差し挟むことは許容範囲である。今回の目的は、「何もしないでひたすら温泉を満喫」というところにあったので、この手の観光は実は好ましい物ではないし、ましてや隣にある片岡鶴太郎美術館に立ち寄るわけがない。昼過ぎにこの温泉郷を後にし、下界からはまたもやJRで上野へ。東京からは「いい日旅立ち」の音楽を奏でる500系のぞみで帰宅。なかなか何もしない旅行という物は達成できないものだ。戻る↑
本日より草津温泉に出かける。年に1度は家族で温泉へという不思議なスローガンのもと、各地の名湯を練り歩いているのであるが、今年は温泉の代名詞である草津温泉を選んでみた。幼少の砌にお馬さんパカパカで有名な近所の草津に温泉が湧いているのであろうかと思っていたのだが、標高1200mの高原都市には魅惑的なまでの湯煙が立ちこめていると言うことである。昨日より親は東京に出向いて兄夫婦と行動を共にしており、上野駅で待ち合わせと言うことでこちらも出かけることとした。伊丹空港には出発の25分前といういつもながらギリギリの到着であり、株主優待券を使いたいという至って気ままな理由で搭乗券購入カウンターの長蛇の列に並ぶ。並んですぐにそれとなくご用聞きに廻っている地上職のおねえちゃんにカードと株主優待券を差し出し、10時の飛行機の予約取ってるんですけどという殺し文句で長蛇の列をスルーして無事購入し、空いている手荷物検査場を通り抜けて機上の人となる。まもなく着陸態勢というときに自然と催したため厠に入れば、ベルト着用サインがでてしまい、席にお戻りくださいという珍しい警告灯を見つつ用事を済ませて席に戻る。
羽田からはモノレールで浜松町に出向き、貿易センタービルの一昔前の最先端たる者の見学に勤しむ。お洒落なデザインの公衆電話設置テーブルや、インフォメーションカウンターの必要以上な豪華さや、はめ殺しの光熱費がかさみそうな佇まいなど、どれを取っても重厚長大高度経済成長の雰囲気を今に伝える。そんな浜松町からは京浜東北線の快速で上野に出向き、地上駅の改札前で合流していざ草津へ。JR東日本の車両がしょぼいのことは疑いようがないが、2昔前の新快速(117系)並みのスペックなのに堂々と特急と言い放つところが素晴らしい。列車はこまめに駅にとまり、2時間半程掛けて長野原草津口駅に到着する。ここからはバスで草津温泉に向かい、無事到着。2ヶ月ぶりに見る湯畑は相変わらず湯が湧き放題であり、湯の花の生産に余念がない。宿に早速チェックインし、宿自慢の岩風呂なんかを堪能して風呂上がりに気分良く1杯やってから飯に取りかかる。飯は京「風」料理というだけあって、京料理を野暮に仕立てあげて量を五割増にしたという、典型的な「おしゃれ」な和風旅館の料理であった。夜10時に男湯と女湯が交換されるため、夜中に露天風呂を満喫して就寝。戻る↑
この判決が出ることは、おそらく日本人にとっては織り込み済みであったと考えられる。死刑が織り込み済みというのは、とてつもない権力を持った存在が意のままに人に死を与える場合を除き、極めて稀な例である。その適当な例として絶対王政の時代を思い浮かべる向きがあるだろうけど、江戸時代の厳罰による平和維持というのもこれに似たものであるし、極東軍事裁判という凡そ裁判とは言い切れない見せしめもこれに該当する。日本人が集団ヒステリーに罹り、「麻原に死を!」と叫んでいるように聞こえるところに譬えようのない不安を感じるのは僕だけではあるまい。確かに死刑以外には適当な刑はないと思えるし、判決文を聞いているときの被告の態度が舐めきっているということもあるし、「うちの息子は一瞬でぶち殺されたというのに、やつはのうのうと死ぬまで時間を稼いでけつかる」という遺族なんかもいる。でも、人間は事の重大性に気が付き、凡そ自分では抱えきれるべくもないことに気が付いたときに「笑うより他にない」という絶望的な気分になるのである。逮捕されたときに「自分がこれからどうなるのでしょうか?」と被告が警官に呟いたそうだが、これは「自分が死刑になることは判っている。ならばそれまで自分はどのようにして生きるべきなのか?」という事ではないかと思われる。この質問に対する回答は本人に準備できることはないだろうし、だからといって誰かが的確な答えをもっているわけではない。もし自分がそのような立場に置かれたら、「死んでどうにかなるものではないが、死なせてくれ」と言うだろうなあとは思うのだが。でも、刑が確定して執行されるまで死ぬことは許されないのであろう。捨て鉢になっている人と、生きようと思っている人に同じ刑を与えたところで、その重さはえらく違うような気がする。戻る↑
昨日今日とつくばに出張であった。つくばから家に戻るには5時間ほどかかるということなので、暇な部署であれば昼過ぎにつくばを出ても文句を言われないらしい。不幸にして僕の部署は多忙であるため、いくら早くても4時頃まではつくばで仕事をしなければならないらしい。秋葉原で見かけたつくばエキスプレスができてしまった暁には、多分その分だけ仕事をする時間が増えてしまうのであろう。交通の利便性が人を不幸にしている縮図が伺える話である。そんなこんなで4時過ぎに会社を出て土浦へ向かう。土浦へ向かうタクシーの中でふと財布の中身の乏しさに気が付き、カードが使えないタクシーであることも手伝って社内で地図とにらめっこしながら駅前の郵便局探しに奔走したりする。土浦からは疲れているのでフレッシュひたちにでも乗って帰ろうかとみどりの窓口に行けば、ちょうど行ってしまったところであり普通列車の方が速いということで大人しく普通列車に乗車する。荒川沖辺りですでに記憶が飛び、次に目が覚めたのは日暮里であった。見事までの熟睡で眠気が覚め、東京駅の大丸で和幸のカツ丼を買い込んで新幹線に乗り込む。東京駅の大丸の地下にある和幸は、新幹線の車内販売員をしていたころから御用達としていたのだが、どうもこの店は今月いっぱいで撤収されるらしい。東京でまともなものが適正な価格で食べられるという選択肢が一つ減ってしまったことを寂しく思いながら、帰りの車内では宴会モード全開になりへべれけに酔っぱらって帰宅。戻る↑
会社ではデスクワークしかやらないという部署に配属になっているが、隣の部署では日夜実験に勤しんでいるわけであり、実験の後始末だけは当番制で僕にも廻ってくる。今週は焼却炉の冷却水処理という不思議な仕事が回ってきた。冷却水なんか適当に捨てれば良いのにと思う向きもあるが、焼却炉で日々燃やされている物質が放射性同位体である以上、冷却水もそれなりの手続きに基づいて処理されねばならないということなのであろう。原子力発電所の冷却水を一般人は「放射能物質が入っているに違いない」と信じて疑わないのは決して間違いではなく、それなりに含まれているのは事実である。しかしながら、その線量は地球上で日々被曝している量に比べると遥かに少なく、通常の操作が行われている限りでは全く影響がないのである。原子力発電所の冷却水で問題なのは冷却水の熱が原因で大量発生するクラゲであると思われるのだが。戻る↑
日本の金融と保険業界には「郵便局」というガリバーが存在する。かつてはデューク・エイセス、大地真央がCMに出演し、現在何の因果か長谷川京子がCMに出演している保険業界の雄である日本生命をしても「かんぽ」には勝つ事はできないし、みずほや東京三菱をしても「ゆうちょ」には勝てない。そのような不思議な構造を取る日本で「特定の目的を持つ銀行」という存在があり、そのうちの一つである「長銀」が破綻したのは前世紀の事である。といっても5年前であるが。その銀行の債権を日本の銀行に任せようとしたが、「すいません、一杯一杯です」と泣きが入り、外資系のファンドに任せたところ本日ようやく株式市場に復活したのが新生銀行である。
新生銀行の売りである「どこで下ろしても手数料はかかりません」という戦略は個人的には当たりだと思うが、どうも世間の人は手数料を払う事に躊躇いがいっこうにないらしく、「お金が下ろせて良かった」ということしか思わないらしい。自分がわざわざその銀行に金を預けてやっているというのに、そのお金をおろすときに金がかかるとはなんたる事か、と思っている僕にとっては手数料無料は魅力的なサービスである。ということでそんな僕がこれまた手数料がかからないシティバンク銀行に口座をもっているのは当然である。しかし、長銀の業務内容は今となっては必要なくなりつつあるため、新生銀行は市井の銀行として復活を遂げたのであるが、もとよりそのスタンスをもっていたならば、どっかの内資系銀行に吸収合併されるだけで事は足りていたのでは無かろうか?政府主導で作られた長銀の本来の目的が薄れつつあったときに、つまり破綻する前に進路転換をすればこのような問題は起こらなかったという気がしてたまらんのである。本日の復活劇を見てそのことをどれだけの人が考えたのだろう?戻る↑
今年も確定申告の季節がやってきたようである。街には長谷川京子のプロマイドが溢れ、今年「も」自分で申告しますというからには去年も自分で申告したというわけで、多忙な中でも国民の義務を果たすべく申告に来ているというから素晴らしい事である。今年も申請には自分で行ったらしく、番記者が待ち構えていたということからも長谷川京子の人気がいかに高いかを物語っている。自分で申告に出かけるというのも素晴らしいし、常に国民の注目を集めている大女優であるがゆえに常に大量のテレビカメラを引き連れなければならないとはお仕事ご苦労様である。しかも、一納税者として「福祉に使って欲しい」などと国政にまで口を出す大物ぶりは生半可な女優ではない。しかも、自分のプロマイドの前で申告用紙を提出しているのに、プロマイドと本物の顔が随分と違うように見えてしまうというマジックまで惜しげもなく披露する所なんかはまさしくただ者ではない何かがある。さて、虚構に満ちあふれた本日の日記をまとめると、伊東美咲の賞味期限はいつだろうか?ということである。ながけりゃいいってもんじゃない。戻る↑
飯高で目を覚まし、まずは国道422号の宮川末端を目指す。途中で手掘りのトンネルが崩落の危険ありということで通行止めになっており、迂回を余儀なくされる。更に宮川末端の手前から宮川ダム湖畔経由で海山に抜ける県道が通行止めなので大回りをして千石越林道経由で大内山村にはいる。一旦紀伊長島まで出向いた後に錦峠経由で大内山村に戻り、グリーンパーク大内山なる施設に出向き、牛乳風呂を体験する。オーストリア=ハンガリー帝国皇妃エリザベートが己の美貌をキープするべくご執心だったという牛乳風呂は、年頃のおねえちゃんのハートを鷲掴みであるようで、壁を隔てた隣の浴槽は「わー」「すごーい」「しんじらんない」という貧困なる語彙で喜びの丈を表現する女性が大量にいたが、こちとらおっさんと向かい合っても楽しみが沸き上がろう筈がない。牛乳風呂は湯にどれだけ牛乳をブレンドするのが最適解なのであろうかとしばし思考するが、思考の妨げとなる恐るべき牛乳の臭みが鼻を突き、どうやらこの臭いの許容範囲一杯一杯が最適解なのであろうと結論を出すに至る。きっとエリザベートは美肌のためにこれよりも濃い牛乳風呂にシンクロナイズドスイミングの洗濯ばさみでも付けて入っていたのであろうと勝手に想像を巡らす。
そういえばボーダフォンの携帯の電池が激しくへたっていることを思い出し、幾度と無く近所の店で「東海地区で機種変して頂かないと」とにべもなくはねつけられた恨みを晴らすべく、ボーダフォンショップへと向かう。携帯に何を望むかという問いに「辞書が賢いやつ」という至って簡単な返答をし、ものの15分で機種変は完了し、気が付けば手元には魂を抜かれたJ-SA04と、新たに命を宿らせたJ-T010があった。この手早い機種変は対応してくれたおねえちゃんがプロだったのがその原因である事は疑いようがないが、「お客様、実は今月から機種変更はご自宅の近くでもできるようになりました」という言わなくても良い一言を言うところだけはまだまだだと思うが。機種変を済ませたので、あとは何するかなあとぼけっと考えていたら、そういえば豊受大神宮(外宮)にはまだ行った事がなかったなあと思い立ち、建国記念日が過ぎたばかりという結構間抜けなタイミングで参拝を済ませる。正宮の前にある衝立が撮影禁止のためにあるという新たな発見をし、皇宮警察のおっさんに道を聞いて内宮とは違う味わい深さを満喫する。その後は大人しく高速を使って関まで行き、その後はおきまりのコースで帰宅。帰宅して眉間に皺を寄せるだけの中居君とか、そこまで燃えなくてもいいんじゃないですか永井君というツッコミを入れつつ、松本清張の傑作をダメダメの駄作に変えてしまう見事な手法を堪能して寝る。戻る↑
朝起きると胃が猛烈に痛く、飯を食うどころの騒ぎではない。今年の風邪は腹に来るという事なので、風邪の前兆と捉えて本日は早めの休息という事で休む事にする。腹が痛いと眠りも浅く、体が疲れているのに眠らせてくれないという状況で生あくびを繰り返す。ようやく昼過ぎになって小康状態になったので、起きて騙し騙し腹に食べ物を少しずつ納める。昼過ぎからまた寝入り、夕方になってようやく落ち着いたので布団から出て活動を再開させる。JR東日本が時速360kmで営業運転する新幹線を開発するということを言い出したが、どうもこれは青森までの客をゲットしようと言う目論見らしい。たしかにこの速さを実現できれば、東京青森間は飛行機ではなく新幹線の方が速いという事になる。でも「そこまで必要なのか?」というツッコミは出されるだろう。現状を鑑みればおそらく「必要ない」と思う人が多いかも知れない。しかしながら、20年前に7時間一杯一杯かかっていた東京博多を5時間で新幹線が結ぶ事を誰が予想したであろうか。そして5時間で行く事が可能となった今になって「7時間かかっても全然問題ないよ」と言い切れる人はどれだけいるのだろうか?新幹線を利用するほとんどの人にとっては東京博多間は5時間だということはすでに既成概念となっているのではないだろうか。常識や既成概念なんていうものは、現実の前にはもろくも崩れ去るものである。ということで、現在の技術を持ってすれば不可能ではないので是非とも頑張って欲しいところである。実現した後で東京青森間に飛行機を選ぶか新幹線を選ぶかは消費者が決めればいい話である。ただ、消費者に選択肢を与えることなく飛行機が撤退している可能性が極めて高いのであるが。戻る↑
米国産牛肉が供給されなくなったため、牛丼の販売をやめるという事態になった。おかげでネットオークションでは牛丼のレトルトパックの取引価格が高騰しているらしい。こんな事ならばANAの通販で買い溜めしておけば一儲けできたのにと思う。さて、米国産牛肉に纏わる疑問と自分なりの回答をいくつか。まず、本日まで供されていた牛肉はBSEに感染していない事を検査したわけではなく、これまでの牛丼を安全であると言い切る事はできないわけである。なのに問題なしとして販売が為されており、感染した牛が見つかった瞬間に輸入が停止されるというのは対応として整合性が取れていない。本当にBSEの事を懸念しているのであれば、発覚した時点で在庫も含め即販売停止にするのではないだろうか?次に、そもそも牛丼で使う肉の部位はBSE感染した牛であっても安全なものであると聞いている。なのになぜ輸入を停止したのか?この疑問に対しては「アメリカの屠畜場で安全部位と危険部位を丁寧に分離しているなんて事をやっているはずがない」という回答に凄く信憑性を感じる今日この頃である。次に、日本でBSE感染が話題になったときに、アメリカが「全頭検査しろやゴルァ」と言ったくせに、今回日本が「全頭検査していただけないでしょうか」と言うと「危なそうなんだけやったら十分なんじゃゴルァ」と返すところが納得がいかない。これについての回答は二つあり、ジャイアニズム国家の対応なんかそんなもんであるというのと、アメリカ人に全頭検査なんかできるわけがないという現実的な問題があるという事が考えられる。戻る↑
ワンダーフォーゲル部というのはどこの大学にもあるのだが、実際そこで何が行われているかは不明である。新聞を賑わす時は、集団リンチとか、遭難とか、一気飲み強要とかあまり喜ばしくない事ばかりであり、きっとワンダーフォーゲル部を悪の巣窟みたいに思っている人もいるのではないかと勝手に妄想する。ワンダーフォーゲルとはドイツ語で「渡り鳥」ということらしく、季節と共に野山を駆けめぐるという事を目的としたグループであるらしい。まあ、今回は無事救出されたので良しとするべきであろうが、もう少しご利用は計画的に。さて、別に「蹴りたい背中」と「蛇にピアス」を読みたくなったわけでもないのだが、本屋で平積みされているハードカバー版がそれぞれ結構な値段だというのに、二冊分がまとめて一冊で、しかも一冊分よりも安いという事なので柄にもなく文藝春秋なんかを買ってみた。以前に文藝春秋を買ったのは江藤淳追悼の号で、「買ってはいけないは買ってはいけない」という寄稿があった時だった記憶がある。ちなみに、買ってはみたものの、この両作品を読むかどうかはまだ未定。まあ、読んでいて損はないであろうが、石原慎太郎のつまらん批評は読みたくないものであるが。戻る↑
水曜日に「椎間板ヘルニアです」と宣言されてしまい、これまでのように自由奔放にどっかに出かけるというのは自粛せねばならなくなった。それでもやはりどっかに出かけたいわけであり、さて今週末はどうするべえかと昨晩考えていたところ、親が「カニを食いに行きたい」と言い出した。ついでに温泉も、と言う事である。
ならば日帰りでその辺が全部満喫できるところはどこかということを5秒程調査し、昼飯は出石そば、その後城崎温泉、夕方香住でカニ食って帰るというまるで絵に描いたような冬の日本海堪能プランを親に示したところ一発了解となった。ということで、まずは出石を目指す。出石で皿そばを食い、雪の辰鼓楼を眺める。その後では城崎に出かけるかと車を進めると、豊岡から先は路面が冠雪および凍結で前の方でピロピロ回転灯が光っており、慣れぬ雪道で事故を起こしている模様。そのおかげで豊岡から予想外に時間を食って城崎に到着。鴻の湯で雪見の露天風呂と洒落込み、風呂上がりのコーヒー牛乳で喉を潤す。更に車を雪深い香住へと進め、カニを食べて満足し帰宅する。親は、車で雪道を走るという事が初めてであったらしくえらく感動していたが、まあ今月末に出かける草津温泉に対する心の準備ができたであろうとそれなりの成果もあったと思う次第。役所広司のあさま山荘のビデオを見せつつ「行くのはあさま山荘事件と同じ日だよ」「あさま山荘よりも草津温泉は標高が高いよ」という言葉を100回言うよりもプチ体験として雪にまみれる方が良かったのではないかと。戻る↑
心地よく宿で目を覚まし、最上階の展望大浴場から品川沖を臨み、酔いを覚ましつつまったりと長湯する。チェックアウトし、朝飯を食べながら一人作戦会議を執り行う。本日は株主優待を利用しようという不思議なプランを実行する事とした。上野まで京浜東北線を利用し、映画の中身を勘違いしそうな程ホラーである映画館の看板を眺め、京成で佐倉へと向かう。佐倉は関西人にとって馴染みが薄く、どこにでもある地方都市だと思っていたのだがそうではない事を思い知らされる。
まずは無料のシャトルバスに乗るべくフリーダイヤルで説明を聞いたとおりシロタカメラの前にあるバス停に向かう。シロタカメラの隣には国立民族博物館用の土産店などという不思議な店があったが中を覗く事はなかった。これはべつに好奇心が薄れた事が原因ではなく、道路の向かい側にある「元祖世界のガンジーラーメン」という地方都市の駅前には馴染みそうもないラーメン屋のインパクトがそれを上回っていたからに他ならない。あとでこの店について説明されているページを見た限りでは、不思議な名前のメニューがこれでもかと羅列されているそうで、これは是非とも一度で向かわなければならないと心に決めた次第。しかも奇を衒った割にはラーメンは極めてオーソドックスだというからそれもまた良しである。関西人にとって千葉島とは、成田空港と東京ネズミーランド以外は知られておらず、観光地としてもそれほどアピールしていないように思われる。しかしながら、僕にとっては興味が惹かれる未開の地であり、今後ますます調査が必要となる事を本日ガンジーラーメンで確信したのである。さて、決意を新たにした頃、ちょうどシャトルバスがやってきた。前には「大日本インキ化学株式会社」と書かれているが、あまり気にせずに乗り込む。バスは30分程走り、原生林が広がる郊外の地に到着した。
本日の株主優待活動その1である「川村記念美術館」である。広い敷地に手つかずの原生林が生い茂り、人工の池では噴水が水芸を繰り広げ、先日瀕死の重傷から恢復したコブハクチョウが悠々と泳いでいる。美術館にこんなにゆったりしたスペースを割いていると勘違いしていたのだが、この敷地は大日本インキ化学の中央研究所と社員用のスポーツ施設がメインであり、美術館はその片隅を間借りしているというのが現実である。館内で撮影は禁止と明記されており、しかも触れてはいけないとかしゃべってはいけないというから、学芸員のおねえちゃんの写真を撮るとか楽しくお話をするとかという野望は消え去り、しぶしぶ芸術鑑賞を楽しむ。
しかしながら、自然に抱かれたこの美術館は野性味溢れるものであり、マムシ注意などという美術館とはかけ離れた注意書きなどもあった。バスで駅に戻り、成田空港へと向かう。空港の駅ではいきなり警官にパスポートの提示を求められ、旅行なのに持ってないことを訝しがられる。仕方なく運転免許証を提示したところ、空港第二ビルの駅で降りないと駄目だったんですよと不必要に親切に対応してくれる。本日乗る飛行機は第2ターミナルからだという事ぐらいは判っているが、本日成田に出向いた理由は、第1ターミナルにある散髪屋で散髪をするという事に尽きるのである。思えば2年前の羽田で散髪をして以来、ようやくこの日を迎える事ができたのである。警官にこんな崇高な感情を理解しろという方が土台無理であるが、まずは散髪屋に向かう。ところが店のオヤジ曰く、予約の客がいるのであと小一時間は手が離せないという。仕方がないので警官の紹介してくれたターミナル間のシャトルバスに乗り、先に搭乗手続きを済ませてしまう。
もちろん株主優待券を使い半額でである。手続きを済ませて散髪屋に戻ったところ、ちょうど手が空いたという事で散髪がはじまる。長きに亘り旅人の髪を切り続けたオヤジとのトークは味わい深く、散髪の醍醐味である世間話を堪能する。散髪を終え、めでたく国内の空港にある散髪屋は全て制覇した事となる。第2ターミナルに戻って手荷物検査を受け、これまた呼び出されるまで搭乗口に出向かないのだが、成田の国内便はバスで地上のタラップまで運ばれ、そこから乗り込むため、バスに乗り遅れると自分専用のバスが仕立てられるというちょっと目立ちすぎる事があるので呼び出されたら早速出向いた次第。機材は成田便ならではのテクノジャンボであり、ポケモンの絵が描かれていたりするのは余録としては有難い限りである。しかもビジネスクラス並みに広いシートを宛われたので有難い事この上無しである。伊丹からはいつもの通り帰宅し、中居君のドラマを見て寝る。戻る↑